夜空のパンケーキ

花咲くころの夜空のパンケーキのレビュー・感想・評価

花咲くころ(2013年製作の映画)
4.6
今月、創立50周年を迎えた岩波ホールで観賞。
最近『とうもろこしの島』『みかんの丘』などジョージア(グルジア)の名作が多いですが、この作品も実に素晴らしかった‼️

僕が大学生の頃に関西に岩波ホール前支配人、高野悦子さんが来られていてお話をさせていただいたことがある。
その時に「東京のホールにも是非来てくださいね」と優しく言っていただき、ミニシアターの草分け的存在の岩波ホールにずっと行きたいと思っていた。
しかし20年近く経ちたまたまキネ旬に創立50周年の記事があり、高野悦子さんが亡くなられた事を知り、今回の東京旅行に合わせてやっと念願が叶いました。
神保町に佇むそのホールは「映画を愛して止まない」人たちの精霊が宿ってる気がして感慨深くなりました。

さて本作のレビューに戻ります。
この作品はジョージアに住む娘たちと家族の確執を描いています。
少女たちの愛情、憎悪、嫉妬、どこにぶつけたらいいかわからない怒り、そんな気持ちが画面から溢れ出していました。
本当に好きな人と結婚できなくても、自分に正しいと言い聞かせる…それを友人に見破られてまたギスギスする。負のスパイラルを上手く描いていました。
ラストをハッキリ描かないのが逆に考えさせられる終わり方で良かったです。
パンフレットでナナ・エクフティミシュヴィリ監督が出てくる娘(エカ)は自分の分身と言ってました。さらに感慨深くなります。

3月中旬までやってますので、お近くの方は是非!(来月から各地でもするようです)