くろねこヤマ子

花咲くころのくろねこヤマ子のレビュー・感想・評価

花咲くころ(2013年製作の映画)
3.9
大人が笑わない街に
小さく咲く
少女たちのひと夏の物語。

お互いを好きだし、
庇いあったり、
守りたかったり、
笑いあったりするけれど、
どうしようもない流れが2人を割く。

誘拐婚。

14歳にして花嫁になる友のため
結婚を祝う舞を舞う。
そこに愛なんてないことを知りながら。

10代とは思えない凛とした踊る姿に
クラクラする。
少し出した肩の細いラインが眩しい。

乾いたグレーベージュの色彩に
時折色が差し、
芽吹いたようなキラキラした瞬間が見え、
そして続くラストは悲しい。

こんな事がまかり通っていたなんて。
この監督の女性への視線、素敵だと思う。