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花咲くころのeulogist2001のレビュー・感想・評価

花咲くころ(2013年製作の映画)
4.0
エカとナディア。14歳のひと夏。1992年のグルジア。

国としては内戦の混乱でパンにも事欠き、それぞれの家庭でもかなり過酷な状況。そんな中でふたりの花咲くころ、青春と呼ぶにはまだ早い時期、少女から女へ少しずつ成長していく。

それにしてもエカは神々しいばかりに美しい。帰宅途中の大雨の中でのずぶ濡れ姿。ナディアの結婚式での踊り。長回しが終わるのが惜しいくらい。こんなふうに結婚をしてしまった(させられた)ナディアへの祝福と社会への(拉致されて無理矢理に結婚に合意させられるのを許容する世界)憤りがないまぜになった毅然とした表情と力強い動き。まさに息を飲む。また後半に掛けてトラブルになればなるほど凛々しさは増すばかり。

この女優は今、どうなっているのか。外面的な興味以上に、どんな人間となり演技はどう変化しているのか?強い関心を持った。

追加。世界はほんとうに暴力に満ち溢れてるなぁと思う。確かに減ってはいるのだろうけれど、映画作品だけ観ていても暴力を振るう事に躊躇しない文化や国家、民族がまだまだ多い。
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