わさび版ドラえもんの映画9作目(大山版ドラえもんの映画3作目のリメイク)。
ドラえもんの映画を見返すときに、いつも旧ドラから見直してしまう癖があるので、あえて新ドラから鑑賞。第2作の宇宙開拓使のリメイクはいまいちだったが、本作はけっこういい感じにおもしろかった。
絵がきれいなので、観ているだけで映像の美しさを楽しめる(宇宙開拓使のリメイクであった、変なタッチの絵柄もなかった)。クライマックスの巨神像の迫力もなかなかいい。旧ドラ版では若干、鼻につく感じのキャラだったペコも、いい感じにかわいくなっていてよかった。ただ絵がきれいになった分、旧ドラにあった映画全体の不気味な雰囲気は薄れてしまっているとは思う。
ストーリー的には、ほとんど余計な追加キャラは登場せず、魔境への探検・敵との闘いがきれいに描かれていた。ゲスト声優で登場した小栗旬もなかなか渋い声でよかったと思う。毎回、こんな感じのゲスト声優ならいいのに(というか、ゲスト声優って誰得?)。
一方、旧ドラと同じようにジャイアンの孤独が描かれていたが、若干あっさりしている気がしてそこまで共感できなかったのは残念(大人になったからかもしれない)。あと、1つ強烈に違和感が残っているのは、ラスト1歩手前くらいの戦闘シーンで「夢をかなえてドラえもん」が流れたこと。どう考えても緊迫する戦闘シーンで流すべき音楽ではないと思った。
ストーリーとはあまり関係ないが、巨神像が敵の戦車をぶっ壊すときも、わざわざ乗組員が逃げ出してから破壊されていて、いろいろと時代の流れを感じた。あと、チッポというキャラは旧ドラ時代から名前で呼ばれてたっけな。。
少し気になるところはあったものの、映画ドラえもんとして十分に楽しめるクオリティの1作だったと思う。あまり間をあけずに、旧ドラ版の大魔境も見てみようと思う。