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ナイトメアは欲情するのsmithmouseのレビュー・感想・評価

ナイトメアは欲情する(2012年製作の映画)
4.2
なんやコイツ!
実験とか言いながらエロい事しか考えてないやんけ( ゚д゚)⁉︎
いい夢が見られるアイソレーションタンクカフェとか作ったら流行るかね。

「客観性とは真実を崇拝することだ」
人間の脳内情報を他人と共有する実験を行う脳科学者のルカスは自らを実験台として、アウロラと名付けた昏睡状態の女性と自分の脳を接続するが、次第に脳内で共有された2人の世界にのめり込んでいく。

アルバトロス企画が繰り出した魔球の如き癖玉で普通の物差しでは測れない。
面白いか下らないかでは無く受け付けるか否かを迫ってきてる映画だった。
綺麗なオープニングの映像と音楽がなんと無く「ガタカ」を思わせてくれるし、「アルタードステーツ」が好みな自分にしてみればコレはストライクの部類。

夢の舞台は海沿いのスタイリッシュながらも輪郭あやふやな割り箸ハウスと白と直線を基調とにしたクリーンで整った世界。(海沿いなのは寄せる波が脳波の隠喩だからか?)

だがしかし、其処では汚らしい食事シーンやウネウネとした溶けていく乱交シーン等本能丸出しのどギツいイメージが繰り広げられる。
全裸疾走シーンとかもあるしモザイことこの上ない。
生々しすぎてお茶の間では安心して見られない。

その一方でアウロラの痛感、歯形等の伏線がビシバシと迫る世界感乍らニューロンの様な細かい繊細さを併せ持つ。
(ルカスとアウロラの関係の例えとしてTVゲームの「ICO」を持ってくる所も素晴らしい!)

結果的にヤラシイとかでは無く、なんかシュールさの水位が高いせいで水底に足がついていない不安さを感じる。
悪夢とも吉夢ともつかない不思議さは無茶苦茶好みだった。

邦題がなんか違う気がする、好き嫌いが分かれそうなパクチー映画。
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