なちゅん

ラヴレースのなちゅんのレビュー・感想・評価

ラヴレース(2013年製作の映画)
3.3
途中までは「なんで見ようと思ったんだろう?」と思う。でもあるポイントから、一気に引き込まれる。1970年代当時の大衆同様に、騙されていたのだと気づく。

リンダ・ラブレースという空想の産物、男性の理想とするライトで従順な女性像と、それを演じさせられ続けたリンダ。そのギャップや強いる為の暴力や脅迫は彼女をめちゃくちゃに壊し、人生の良い時を奪ったと言えるけれど、それも超えて、自分の家族を得て自叙伝を書き、同じようにDVに耐える女性のために運動し続けた彼女はなんと強く美しい心の人だろうか。
女性を取り巻く環境、特に性産業における立場は50年経っても大して変わっていない気がする。
いや、この時よりはまだ声をあげやすいのかしら。そうであって欲しい。じゃなきゃ、彼女の努力が報われないじゃない。

チャックはシンプルなクソ野郎だし、お母さんはどういう理由にしろあまりにも無慈悲。それでも生き延びたリンダ本当にすごいよ。
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