土間埋

真昼の不思議な物体の土間埋のレビュー・感想・評価

真昼の不思議な物体(2000年製作の映画)
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非常に荒い、ザラザラとした質感の白黒ドキュメンタリー映画。

基本は物語をリレー小説の様に村人たちに作らせ、それをアピチャッポンが映像にしていく、という体裁。

映画は行商の女の自分語りから始まる。
子供の頃、父親に捨てられた事を未だ恨んでいるらしい。
話が終わると、アピチャッポンが問いかける。
「他にも何か、作り話でもいい、何か話してみて欲しい。」
そこで女はこの映画のタイトルでもある、足の不自由な少年とその家庭教師、そして家庭教師の股間から産まれた不思議な物体の話を始める。

物語は宇宙人やトラ、超能力なんかを登場させながら最後は小学生の手によってエンディングを迎えるのだけど、話の筋だけを追ってもあまり意味が無いのかなと思った。
どちらかと言えば、時折映される政権のポスターだったり終戦のラジオ放送辺りに主張が詰まっていたのかな、と。

またただ再現映像で終わるわけではなく、シリアスなシーンでいきなり子供が瞬間移動して「もう撮影終わった?」とかスタッフと会話し始めたりする。
こんな感じの心臓に悪い、キレた演出のセンスがこの頃から垣間見える。

と、ここまで語っておきながら疲れでちょいちょい寝落ちていたので点数は無しで。。
土間埋

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