足拭き猫

真昼の不思議な物体の足拭き猫のレビュー・感想・評価

真昼の不思議な物体(2000年製作の映画)
3.5
初アピチャッポン。この作品から入っていくのが正しかったのかはちょっと疑問ではあるけど、他の作品が余計に楽しみになった。
文字通り不思議な話。ザラザラした画面、カットを繋いだだけのような雑っぽい編集、時系列は無視され現実と空想は入り乱れ、理解しようとしても?マークがいっぱい付くことに。村人が演じているあたりから、もしかしてこれは物語を作ること、語ること、伝えていくことについてのお話なのかもと分かり始めた。今作のはあまりにも素朴だったけど、物語は創作の基本であり、きっとタイの民族の間では時を越えて口承されている話もたくさんあるだろうし、作り手としての自分がその原点を見つめているということなのか。サンプリングしたざらついた音も随所で使っていて、余計に非現実的さを醸し出していた。
エンドロールの後が長かったのは、創作部分は終えて、ロケ地そのものを映したかったということなのかしらん。