KAJI77

愛の嵐のKAJI77のレビュー・感想・評価

愛の嵐(1973年製作の映画)
3.7
嗜虐的な性愛と真実の愛情は共存できるのか…?
元ナチ将校とユダヤ人の少女との狂った関係を描いた作品、『愛の嵐』(1973)を鑑賞しました…!

【あらすじ】
ホテルマンとして生真面目に勤める男「マックス」は、戦時中はSSに属していたドイツ人であった。身分を隠して平穏な日々を送る彼だったが、ある日勤め先であるホテルに見覚えのある女性が宿泊する。名は「ルチア」。彼女はナチス占領下の時代にマックスが陵辱したユダヤ系の少女だった。戦争の過ぎ去った平和な時代に予想外の再会を果たした彼らの関係は、過去を巻き込んで複雑に歪んでいく---

最近イタリア映画とフランス映画にめっきりのめり込んでしまいまして(特にベルナルド・ベルトルッチ監督の初期作品!レビューしてませんが好きな映画が沢山ありました…😌😌)、この作品もその延長線上で見てみた次第です!

恋愛絡みの作品は普段あまり観ておりませんが、やはり人間を美しく撮るという事が如何に難易度の高いものなのかをつくづく思い知らせれます。
被写体そのもののクオリティというより、やはり肝心なのはクオリアの方であるのは、映像文学においてはもはや自明とも言えることかもしれません🤔🤔

今作が描く「愛」とは正しく表題通りの「嵐」のような混沌であり、それを解消するための逆巻きの嵐との間で産まれた「凪」のような関係だったと感じました。
恐ろしく冷たい愛情という過去を払拭するために、熱烈な愛を持ってそれらを沈黙の中に落として殺す。
「毒を以て毒を制す」が金言として後世に残るのならば、「愛を以て愛を制す」。
そんなメッセージなのかな…?想像力にかける僕にはよく分かりませんが…😣

しかし、変に美しい映画だと感じてしまいました。変態映画好きには堪らない一作なのではないでしょうか…?


そうです…変態な…あなたのことですよ…😈😈😈😈
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