胸に手を当てるイメージが焼きつく、言葉にするのが難しいが、そのシーンは、女の肉体がもつ美しさとそこに体現される男らしさのアウフヘーベン的官能性があり、それはもうググッとくる。それだけでいい映画。
会話は絞られており、現在に記憶のイメージが流れ込み、彼らは束縛されるように囚われるように変化していく。感情を見せつけるという感じではないアップの目は非常に強度がある。劇場での二人の目線のやりとりは言葉以上のものを物語ってしまっている。ガラスを踏むのもラストも音での語りが効果的。
外見的なイメージでしかないけど、記憶に蘇るルチアはジーン・セバーグのよう、現在のルチアはジーナ・ローランズのように見えた。(どうでもいい)