えびちゃん

冬冬の夏休みのえびちゃんのレビュー・感想・評価

冬冬の夏休み(1984年製作の映画)
4.5
やっぱりどうしたってエドワード・ヤンとホウ・シャオシェンが好きすぎる!本作で2人を楽しめるのでオトク!
小学校を卒業した冬冬トントンとその妹の婷婷ティンティンが田舎のおじいちゃんのおうちに預けられる夏の日の出来事。みんなトトロの元ネタっていうけど、わたしはミツバチのささやきに近いと思う。トントンの勉強見てあげる医者のじいちゃんすごく好きだ。
これは夏にちゃんとスクリーンで観たい。
一日一日のなんでもない出来事が積み重なっていって、それがなんでもなくない大ごとにつながっていく。トントンの目で見つめた大人たちのそれぞれの"生き方"をどう選ぶのか、時間の使い方、思慮の深み。子どもの目というフィルターを通しているがやはり厳しく、そして親の愛を感じる。時間は誰にも等しく流れている。子どもにも大人にも。
白痴の女とティンティンの、友情とも姉妹関係とも言い難いお互いがお互いをささやかに求めた関係が切なくていじらしい。中途半端な倫理観をやすやすと蹂躙された気分だ。
「少年の夏の日の思い出」というだけで感極まってしまいますが、シャオシェンの語りすぎない潔い余白にただただ圧倒される。初期シャオシェン、好きすぎる…!
えびちゃん

えびちゃん