卒業式の蛍の光、夏休みの終わりを告げる赤とんぼ、最初と最後の場面は懐かしさを誘うとともに、なぜ台湾で赤とんぼなのか、過去の戒めが自然と横たわっていて心にしみます。
大人たちは小学校を卒業した冬冬(トントン)にこっちに来るなと言う、冬冬は妹の婷婷(ティンティン)にあっちへ行けと言う。いろんなことがあった冬冬と婷婷の夏休み。
いまは分からないけど後で振り返ると節目ができている。子どもの夏休みはそういう季節なのでしょうか。
大人の世界、子どもの世界、どの情景も良かったけど最も印象に残ったのは兄妹でも祖父母でもなく、障害のある女性、寒子(ハンズ)、風変わりな格好とカラフルな傘、子どもたちからは笑われ、周りの大人たちには気の毒に思われる。
寒子ができないこと、言葉を発しないこと、結果的に自身が母親となれないこと、父親の面倒を見れないこと。
寒子ができること、笑うこと、電車に轢かれそうになった婷婷を助けること、婷婷を背負い歩くこと、落ちた小鳥をみて悲しむこと。
そしておそらく、赤とんぼを聞いて何かに思いを馳せること。