排路

冬冬の夏休みの排路のレビュー・感想・評価

冬冬の夏休み(1984年製作の映画)
5.0
子どもたちをとるっていうより、子ども達の周りの環境に焦点を当てることで、子どもたちに感情移入できて、子どもたちの思い出が観客の思い出と結びつく最高の体験でした。
水々しく豊かな満足感を感じるのは、ミケランジェロアントニオーニが人物ではなく抽象物に焦点を当てて、人物の感情を冷めたものにしたのと関係がありそう…
きのぼりのPOVが1番すき、、

亀とラジコンのシーン好き、割と長めに亀を轢こうとしてるラジコンを見せてそれを見て男の子たちは笑ってる。でも次のシーンで女の子の全く興味なさそうに違うとこ見てる姿がうつされる。
かめとラジコンの交換んの約束もきっとその場の流れで軽くやったやつだと思う。
子どもたち全体のロングショットの中に、1人に絞ったショット、エスタブリッシングショットがあってメリハリがついてる。子どもたちだけじゃなくて、亀だったり牛を中心に写してるのもある。子供だけじゃなくてその周りのモノを写して、思い出感を演出してる。
木登りのPOVもすき。まじで田舎。故郷感
おじいちゃんの無言の演出もよい。ある意味違和感であり、夏休みの思い出の中の特別な一部であると同時に映画においても特別な存在になってる。
寒子を遠くからみる子ども達を遠くから見るカメラもよい。
ただ子どもをうつすだけじゃなくて何かする子供をその何かと一緒に、それを中心にうつす。子供をとるというより、子供を取り巻く環境をとるって感じ
時と場合に応じて距離もとる。
情事はちゃんとうつさない。子どもにはまだ早いから笑
息子を殺そうとする親父を固定で長回しでとる緊張感
非行少年達に絡まれる一連のシークェンスを俯瞰で撮ったり、子どもがめっちゃ不安になってるのいい
断片的な思い出みたい
車の中のシーン、車に乗る人を正面からうつすんじゃなくて、乗ってる人目線で対向車線とかうつすのがたまんない。
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