竜平

キングス・オブ・サマーの竜平のレビュー・感想・評価

キングス・オブ・サマー(2013年製作の映画)
3.7
親からの干渉や束縛に対してしがらみを感じつつ日々を送る若者とその親友が反発心から企てる「とある計画」、やがて巻き起こる騒動。コメディ的青春映画。

監督のジョーダン・ヴォート=ロバーツは今作でデビューしてすぐ次に「モンスターバース」第2弾となる『キングコング:髑髏島の巨神』を任されるというなかなかの出世具合、っては余談。今作はというとジャンル的には青春映画。若者の恋心やら親への反発心やら、また人生への悩みみたいなものまで、若い頃特有の青春模様が爽やかに描かれる。ただヒューマンドラマよりもコメディ寄りかなという印象。鑑賞前は現実的な方向の話を勝手に予想してたけどそういうわけではなく、「んなバカな」感がいろいろおもしろかったりして。いつの間にか仲間になってる青年ビアジオの変人ぶりよ。あとストリートファイターのブランカのネタには笑ってしまった。で、もちろんストーリーもあるんだけど、物語よりもどちらかと言えばビジュアルや映像演出などで魅せていくような内容になってるなと。コマーシャルやミュージックビデオのような、センス溢れる場面が多々。そんなこんなで短めの上映時間も相まって最後までツルッと見れてしまうはず。

人の話を聞かない人物がわりと多くてそこで少しイライラ、これはわるい意味でなんだけど、でも要するに今作の術中に俺がハマってしまってるってことなんだろうね、たぶん。終盤また主人公らに新たなしがらみやら生まれつつ、しかし解決とは少し違う形で迎えるラストというのがそのまま良き余韻を残す。ティーンの友情の話とかで涙脆くなってしまう個人的な性分もあるっちゃあるけど、終わり方の雰囲気になんか救われた感じ。最終的にじんわりほっこりな一本。
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