いののん

キングス・オブ・サマーのいののんのレビュー・感想・評価

キングス・オブ・サマー(2013年製作の映画)
4.0
そんな瞬間ってあるんだろうか。今、オトナになったと自覚する瞬間。蝉や蛇なら文字通り、脱皮、する。でも私が思うに、人は、この瞬間に脱皮したとは、たとえ脱皮したとしても、その瞬間には自覚できないのではないだろうか。ずっと先になってから、そういえばあの時だったと気づく、そんな風に思う。その瞬間は、ただただ必死だっただけで。目の前のことに精一杯だっただけで。かけがえがなかったことに気づくのは、もっと先のこと。


この物語で言えば、森での生活。ジャケ写が本当に美しい。(愛されているがゆえのこととはいえ)いちいちうるさい親元からジャンプして。もう限界なのはこっちだぜ。ドラム缶?を叩く音。雨。川。自分たちで建てた小屋。草。森。小動物。自由であることへの憧れと、自由であることを満喫することと、友とのじゃれあいと、友とのいさかいと、女の子への思いと。


登場人物がみんないい。特に、男の子3人のバランスが絶妙。主人公のジョーは、もしかしたらトム・ハーディが10代だったらこうだったのかも(異論は当然あるだろう)、な-んて、まさかね。でも目が釘付けになってしまうほどの魅力がある。ビアジオは、誰が観たとしてもきっとツボにハマるはず、これはもう断言できる! もうひとりの男の子はさておき。女の子はクロエちゃんくらい可愛いかも(異論はあるかもしれない)。


*ビッグ・ワンタン?の宅配に、「ビッグ・シック 」のクメイル・ナンジアニが出演。ここで再会するとは思わなんだ。
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