イーサン・ホーク主演のスリラーものでシリーズ第一弾。
一年に一度、12時間の間は殺人も含めた犯罪が解禁されるというぶっ飛んだ法律がある世界。そのストレス発散のおかげで犯罪率はかなり低下しているとか。
ただし、殺しのターゲットとなるのは貧困層。富裕層が人狩りイこうぜ!と喜び勇んで参加していきます。
イーサン・ホークはセキュリティシステム会社に勤める父親で、家族と共に裕福な暮らしをしている。セキュリティに守られたリッチな邸宅でパージの日は引っ込んで過ごすつもりだった。そこへパージのターゲットになったオッサンを彼の息子が可哀想!と家に助け入れてしまったから大変。
密告を受けたパージャーの人殺し軍団がお宅訪問にやってきます。
とまあ、風刺が効いてんだかいないんだかな内容ですが、その要素はあんまし面白くない。話の中盤あたりが間延びしていて退屈です。家族が緊迫した状況でドンドン追いつめられていき、ジレンマの末に決断を下す!という心理描写なら名作になったかもしれんが。そこは薄っぺらいので普通にB級ってかんじです。
パージのルールを練って活かしてくれたら仕掛けも多く出来てもっと面白くなったのに。ただただイヤミっぽいボウヤ達が家に押入ってくるだけです。どうやらセコムしていてもパージは防げないようです。敵のリーダーのお坊ちゃんっぽいヤツはイイ味出してました。
家族を守らなければな設定とパージ下での人間性を問われる内容~とかにしたかったんでしょうけど。あの状況では父親の判断はただ家族を危険にさらしてるだけにしか見えません。家族揃って平和ボケしまくってるんですよね。完全平和主義な人以外はイラつくだけだと思います。
出てくる人間がアホばっかりなのもちょっとな~。
ただ続編が作られてるように設定は面白い。コレ、一時間程度でドラマのブラック・ミラーなんかでリメイクしたらめっちゃ面白くなりそうです。これと似た状況の映画なら「わらの犬」の方がずっと深いし面白かったな。
強烈なアイデアの割りには話のスケールが小さいし、この第一弾はかなり地味。この次からの方がまだ面白いです。