一晩だけ何やっても許される法律かー。斬新な設定ですよね。確かに多少はストレスを発散できる場があった方がトラブルは減るのかもしれないけど、殺すことすら合法化されたとしても、日常的なストレスってそんなに１年も溜めておくことはできない気がするのだが。。
まあこういう状況下に置かれた人間の心理模様とかは結構面白い。第三者的な視点で楽しめる時は優雅に食事をしながらでも構えてられるけど、当事者になってみると実際に人を殺めるってそんな簡単なことじゃないと思うし、平気で殺人を快楽的に楽しめるってある意味才能みたいなもんだと思うから、追い込まれた時の感情の変化とかは面白かった。
事の発端はそもそも子どもの良心だったわけだけど、これが不思議なもんで、子どもはあの家庭に生まれてこの方育ってきたわけだから、教育としてはパージを良しとするはずなんだよね。むしろあの画面越しのゲームみたいな外の様子を他人事と捉えなかった彼は偉いのだけど、いくら子どもは純粋とはいえ、あれはありえない気がするのだが。
むしろパージ導入以前と以後とがわかっている大人の方が心を痛めてもらいたいものだ。たとえそれで犯罪が減っていたとしても。
とまあ、そもそもの設定としては面白いのだけど作り込まれているかと言えばそうではなくて、粗は実際ありますね。何も考えなければスリリングな展開を楽しめるには楽しめますが、やはり怖いのはイーサン・ホーク夫婦があれを良しと捉えるようになったサイコパス的発想かと。
