井口奈己監督作品の三作目。『犬猫』も『人のセックスを笑うな』も観ていたからある程度までは楽しみ方を分かっているつもりではいた。ストーリーの起伏ではなく、演出を楽しむこと。登場人物たちの目配せや思わず吹き出してしまうような空気を堪能すること。それを事前に知っていたせいか面白く観ることが出来た。この映画のタイトルは「ニシノユキヒコ」の「恋と冒険」を扱っているように感じられるが、肝腎のニシノユキヒコの存在感は薄く、女性たちの凛とした、それでいて説教臭さのない佇まいが印象に残る出来栄えとなっている。この映画について語ったところ、トリュフォーの作品を色々と教えていただいた。トリュフォーを観ていない不幸を噛み締め、なおかつ改めて己の映画に関する不勉強を思い知らされた次第である(´・ω・｀)
