もともとゆったりした余白の多い原作にエピソードを付け足して、さらに遅回しにした結果、最高にトロくさい映画に。
女性にモテるのに、いつも女性側からフラれてしまうニシノユキヒコの恋愛遍歴を描く。
ニシノユキヒコを演じるのは竹野内豊。彼がコマシに掛かるヒロインは全部で6人。
尾野真千子、本田翼、麻生久美子に成海璃子、木村文乃、そして阿川佐和子など、脅威的なまでの節操の無さとストライクゾーンを誇るニシノユキヒコ。
麻生久美子の中学生の娘まで隙あらば落とそうとするなど油断ならないオッサンである。
原作は女から見た男の話だけど、映画は男から見た女の話に変えられている。
原作がニシノユキヒコの歪さや哀しさを描いているのに対し、映画のニシノユキヒコはしょっちゅう三角関係をもつれさせるただのスケコマシマシン。
積極的にすり寄ってくる人、好きだからこそ避けてしまう人、ニシノ君から来るのを待ってる人、別れても未練を残す人などなど、
ヒロイン達が恋に向き合った時の反応は様々で、そこにそれぞれの個性が出るのがこの映画の面白さ。
尾野真千子との恋愛シーンが一番魅力的。
尾野真千子の方が会社の先輩設定。
2人っきりのオフィスでイチャつくシーンは尾野真千子が可愛すぎて、舌打ち出るレベル。なんの罰で俺はこんなもの一人で観てるんだという気分に。
でもそれぞれの恋の終わり方が全体的にしょうもないな。
ニシノユキヒコ君は来る者は拒まずだから、次の女がホイホイ出来ちゃう。どんなにニシノ君から「愛してる」と言われても、常に次の女の気配が消えない。ニシノ君は誰のモノにもなる気はない。
結局どのヒロインもそこにぶつかっちゃうんだね。ワンパターン。
原作から学生時代の話はカットされている。空き地で実の姉さんの母乳を吸うシーンもカット。
映画は女達の話に焦点絞ってるから、ユキヒコ側の複雑な過去のエピソードははしょったのだろうな、きっと。
まぁ見てみたかったけどね。学生服で母乳吸う竹野内豊。