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フォックスキャッチャーのharukaのレビュー・感想・評価

フォックスキャッチャー(2014年製作の映画)
4.0
まず観おわって一番の感想。
実話との隔たりとかを無視してとにかくこの作品について言うと、

デュポン許せねー!

恐ろしい、というのももちろんありますが、とにかく許せない!
母親への満たされない承認欲求とか、自分のしていること、してきたことへの虚無感(を自覚しているのかどうかは不明だが)とか、孤独とか、デュポンにも色々背景があるのはしっかり描かれてはいるし、理解はできるが…。
そういった自分の中にある不全感とか処理できないものの原因を自分自信に向けられない、がゆえに他者に原因を求めるっていう心理がね…、可愛そうだなこの人、とは思うんだがね…、でもものすごい不快感を禁じ得ない。
自分の中の狂気や、感情の揺れ動きに無自覚なかんじが危うくて恐ろしくて。私自身がすごい嫌いなんだ、こういうやつが。

デイブとマークは、とんでもない野郎と関わってしまったね。

あと、マークのデイブに対する尊敬や愛情VS劣等感のせめぎあいの感じもよかった。役者さんの漂わせる孤独な感じとか、臆病者オーラが素晴らしいな。

〈追記〉
もう一度観たら、少しデュポンの切なさに共感できた。1回目、デュポンが車でデイブの家に行って、「家族デーだから」って追い返されるシーンの意味が分からなかった。これが分からなかったということは、私は相当デュポンを敵対視していたということだ。デュポンの心境にまったく目を向けてなかった。
あれの意味が分かったら、やっぱりデュポンは、自分の内面にそれほど無自覚ではないのかなと思えてきた。自分のやっていることの愚かさや、自分の無価値感に苛まれていたんだこの人、と気づいたら、今度はデイブがちょっとやなやつに思えてきた。まっとうな人間の、無言の攻撃というか、正面から否定はしないけど、まっとうゆえに人を傷つけるかんじとか。