山本

X-MEN:フューチャー&パストの山本のレビュー・感想・評価

X-MEN:フューチャー&パスト(2014年製作の映画)
3.8
冒頭、エイジオブウルトロンのロボみたいなやつらがミュータントを追い詰める。なんとこいつらは相手の能力をコピーするのだ! 能力バトルものには必ずいる能力者だ。で、次々とミュータントを蹴散らすロボ。ダメージをエネルギーに変換して特製の銃に注入するという地味な能力のやつや、PCゲームの「ポータル」とかミスターストレンジみたいに入口と出口をつくって空間をつなぎ合わせるやつ(こいつなかなか強いと思う)など、さまざまなミュータントが戦うのだがあえなく倒されてしまう……というシーンから始まる。
その後どうやら、X-MENの世界はあのロボのせいでミュータントが死に絶えそうで、マグニートーとプロフェサーが合流するも勝てそうにない状況にあるということがわかる。で、そもそもあのロボさえ作られなければこんなことにはならなかったはず、ということでウルヴァリンが過去の時空に飛び立つ。ターミネーターかな? 過去に飛び立つ原理がよくわからないのもターミネーターみたいだ。
というわけでウルヴァリンが頑張るのだが、どいつもこいつも事情を理解してくれない。ここらへんは時間遡行モノの難しいところだよなあと。こういう時はよく「一緒に時を過ごしてきたからこそ知ってること」を告げることで信用を得たりするんだけどまあウルヴァリンってそんな感じじゃないしな。で、幽閉されてるマグニートーの協力を得るため脱獄を手伝うわけだがここのクイックシルバーの活躍が凄まじい。キッチンホールでのスローモーションのシーン。感動してしまった。時がものすごく遅く進む中で1人壁を走り抜ける。飛び散ったスープ(?)の味見をし、警備員の腕をグーにしてとなりの人の頬に向け、帽子を拝借して被り、ウルヴァリンたちに向かって進む弾丸のことをあっやべえとばかりに思い出し、軌道を変え、そして時が元に戻る。個人的歴史に残る名シーンだ。エイジオブウルトロンに出てきたクイックシルバーよりも飄々とした感じもいい。あのシーンで彼がヘッドホンで聴いている曲は”time in a bottle”という当時のヒット曲で、アーティストのジム・クロウチが妻が妊娠したことから自分の子供のために作った曲なんだと。で、クイックシルバーは原作ではマグニートーの息子という設定らしく、映画本編ではエレベーターで「金属を操るんだ。ママの知り合いにそんな人がいるよ」というセリフがあり、そういうのを鑑みるとこの選曲もなかなか深く感じられる。
全体的に見所の多い作品ではじめてX-MENですごく面白い! と思った。ファーストジェネレーションももちろん面白かったんだがそれを超えた。未来編の戦いも、インフィニティ・ウォーと同じかそれ以上の絶望感がありなかなか良かった。うーん、やっぱりこういう映画はとくに語ることがないんだが、とにかくクイックシルバーがすごかったということは伝わってほしい。
あとはこういうのは野暮かもしれないが、時空の改変にともない歴史が変わったのはいいんだが、あのターミネータールートにいたら彼らはどうなってしまったのか、消えて無くなってしまったのか、というところが少々気になったのだがまあガチのSFってわけでもないしいいのか。なお、映画ドラえもん魔界大冒険では、のび太がここで忘れ去られた世界を救うためにふたたび並行世界へと旅立つ。
山本

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