ホイットモア大統領

X-MEN:フューチャー&パストのホイットモア大統領のレビュー・感想・評価

X-MEN:フューチャー&パスト(2014年製作の映画)
4.4
『X-MEN:ダーク・フェニックス』の予習として③
なお、この後『X-MEN:アポカリプス』も見返しましたが、詳細は以下参照。
https://filmarks.com/movies/58584/reviews/21220956

公開当時劇場で鑑賞。元々シリーズは好きだったけど、初めての劇場鑑賞となった『ファースト・ジェネレーション』が傑作過ぎたので、めちゃくちゃ期待してたらあれ…?って感じで困惑した思い出が。
でも再度見ると昔より全然好き。むしろ最高!

前作(『ウルヴァリン:SAMURAI』)から話が飛んで、気づいたらミュータントはおろか人類すら謎のマシーンによって絶滅寸前の未来。
そのマシーン、「センチネル」開発推進の発端となる、ミスティークによるトラスク博士暗殺を阻止すべく、キティの能力で未来ウルヴァリンの精神を昔ウルヴァリンにタイムスリップさせるのだった…。

とまあ、ややこしくも『ターミネーター』なストーリーで、完全に前作までを見てる人向けになってますが、見てる人にとっては最高なポイントが3つあります。
(でも、この辺の途中参加不可なところと、前作からキャラが出たり出なかったり行方不明だったりするところが、『アイアンマン』以降のMARVELと比べてファンが少ないところかな?)

まず1つ目が、ブライアン・シンガー監督復帰に伴うドラマの深化!

『ファイナル・ディシジョン』やスピンオフ2作に比べて、各キャラクターの “心の闇” が深掘りされている本作。チャールズの自己嫌悪、エリックの支配欲、ミスティークの復讐心、トラスクの排他思想などを、当時アメリカが抱えていたベトナム戦争という “闇” と重ね合わせているのが興味深い。そして今回もまた、おちょくられるニクソン大統領。

さらに、昔ウルヴァリンはまだ魔改造される前で、戦闘要員ではなく指導者として活躍。1作目のチャールズと立ち位置が逆転しているのが面白い。公開当時はこのウルヴァリンの暴れ不足を残念に感じていましたが、腰を据えて改めて見た今回は、その意味を理解して楽しむことができました。
また、このウルヴァリンですが、俺の中ではジョジョ第6部のエンポリオ少年と重なるんですよね…。ラスト的にも。


2つ目が、満載のサスペンス要素!

これは主にセンチネルに因るところが大きく、未来バトルでは、攻撃力・防御力、そしてストーリー的に、T-1000が大挙して襲いくるような絶望感を味わえる。
その圧倒的戦力に対して、X-MEN一同は精神送信中のキティと未来ウルヴァリンを守らなければならず、犬猿の仲だったチャールズとエリックが遂に共同戦線を張るところが胸熱展開!ただし、もちろん過去も過去で暗殺が成功すれば未来は変わらないため、ハラハラドキドキが2倍となっています。その他、定番悪のエリック=マグニートーが味方にいることもそんな要素の1つ。

3つ目は、オールスター・キャスト集結!

『アベンジャーズ:エンドゲーム』以前では、1番ギャラに予算を割いた作品じゃないでしょうか。旧3部作のメンバーはパトリック・スチュアートを除いて、おそらく本作が最後の出演になるんじゃないかと思いますし、そういった意味でも感慨深いものがあります。特に未来でのバトルは、各個人出し惜しみせず能力を披露してくれて嬉しい限り。ただし、メタルマンことコロッサス!お前は無理しちゃあかん…笑
一方過去編では、新キャラのクイックシルバーの高速移動が斬新、かつおふざけ全開で今までにない魅力があり、キャラも含めて作品が重くなり過ぎないよう良いアクセントになっていました。この演出は次作『アポカリプス』でさらに進化して登場してます。

Led Zeppelin「Kashimir」が使われる予告編もテンション上がる!