イチロヲ

GODZILLA ゴジラのイチロヲのレビュー・感想・評価

GODZILLA ゴジラ(2014年製作の映画)
3.5
日本の研究施設における事故により父を亡くした海軍隊員が、放射能によって復活を遂げた巨大生物の脅威に晒される。ハリウッドのレジェンダリー・ピクチャーズが主導している、モンスター・バース第1弾。東宝の第1作目と坂野義光の初稿をベースにしている。

本作のゴジラは人為的に作られた天災であり、放射線を求めてアメリカへと上陸する。過去の水爆実験を肯定するような改変が施されているが、「人間のエゴ」「破壊神の概念」「殺戮兵器の有効的活用法」を提起する手法は、日本版から受け継がれている。

怪獣の巨大感を重視したカメラ移動と高密度のフルCG映像、そして群集のパニック描写が大きな醍醐味。暗闇のシーンが多すぎるところが難点だが、背びれが発光してからの放射能火炎の流れはエクスタシーを禁じ得ない。

怪獣のデザインは、正直なところカッコ悪い。家族愛の要素をしつこいぐらい盛り込んでくるのは、ハリウッド映画の鉄則だから致し方なし。総合すると「敵対怪獣ムートーの役割を、そのままゴジラにやらせるべきだった」というのが率直な感想。
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