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ルパン三世のGoのレビュー・感想・評価

ルパン三世(2014年製作の映画)
1.3
【ヤツはとんでもない物を盗んでいきました!私の時間です!!】
シナリオがダメ
キャストもダメ
美術もダメ
カメラワークも微妙
求めてないのに格闘アクションはまぁまぁ
☆1.3点で.

ルパン三世好きだし北村龍平監督のVERSUSも大好きだったから こっから先は久しぶりに長くなりそうだよ?
ヒマな人はぜひ読んでね!
お忙しい方は『ルパン 実写 ダメ!』これだけ!笑

オープニングから雰囲気かだけざっくり紹介しとこうかな?
すごいぞ~!
なんと最古のオリンピックメダルを盗みに警戒厳重な美術館へ『奴ら』が挑む!!
謎の女 峰不二子!
ピエール!
そして二郎!!

…誰?

あのさぁルパン三世を見に来て ピエールと二郎でテンションアガる人いる???
主人公登場を焦らすにしても最初っから興が削がれます.

おっといきなり難関だ!
映画でよく見る赤い光線が網の目のように張ってあり触れると警報!的なやつを通り抜けなければならない!
でもその光線…上下ガバガバだし.

それを通り抜けた先には!
床に重量感知の警報装置ッ!!「触れたら一巻の終わりよ」
と自分で言っておきならが味方撃って床に落とそうとする不二子さん意味わかんねぇ!

こんな感じで非常にハイペースでおかしな場面があり呆れた直後に…
はい!ブッ込んで来ました格闘シーン.しかも峰不二子の!?
完全に監督のシュミですね!
これはダメだ.


ルパン三世という媒体は数々のクリエイターが携わり何十年も作り続けられてきました.
ハードボイルドから荒唐無稽&奇想天外なエンターテイメントまでバラエティ豊かな内容で幅広い層に受け入れられてきた.
知名度からすれば国民的アニメーションと言っても良い.
この面白さは作り手が自由な発想でルパン三世の制作に挑むことが出来たからなのでしょう.

そんなことが可能なのは 赤ジャケ版アニメで固められたキャラクターがしっかりしていて『一定のアイコン』を盛り込めば それは『ルパン三世』になってしまうほどのデカい器を持っているから!
(おもしろいかどうかは別ですが)
だからルパン三世は世代を超えてファンを獲得し何十年も続くコンテンツとして成り立ってるのでしょう.

では北村龍平監督のカラーは?
バイオレンスとキレのある格闘アクション!
それと絶対スベってるB級映画ギャグ.
あ ゾンビも好きだったね…やっぱり適任とは思えないなぁ.
やめときゃよかったのに何でこの人に頼んじゃったんだろう?
監督もこの仕事 何で受けちゃったんだろう?

私は 思いもよらぬ方法でどんな厳重な警備をも嘲笑い 計り知れない価値の宝を盗む『怪盗』ルパン三世が見たいんであって
格闘技が強くて何人もの敵をなぎ倒す『強盗』ルパン三世が見たいわけじゃないんだけど みんなは違うの?
この映画作ってる人は何で後者が望ましいと思ったの?

出演陣が努力してるのはわかるんだけどキャストが似てもいないのに衣装だけはアニメに寄せたの用意した所もコスプレっぽさを助長してるし
セリフもアニメのキャラクターに寄せて中途半端なモノマネ感が作品をチープなものにしてる.

そんな中で小栗旬は過去にコナンやったり今度はルパンになったり大変だけどよく頑張ってました!
細身でスタイルいいし喋り方なんか かなりルパンぽかった!
だが そこまでしといてなぜモミアゲを伸ばさなかったんだ!笑
次元は帽子を目深にかぶって 目元が見えないように撮るだけでもっと似せられたと思うけどなぁ.

他は論外のだった.
小栗さんの奥さまが数秒出てたんだけど峰不二子役を譲ってもらった方が良かったよ.

シナリオに関してはマイケルというゲストキャラクターに焦点を当てすぎて主人公が流されてるようにしか見えない.
計画を立てたりバックアップする本作オリジナルの仲間も完全に余分!蛇足!つーかお前ら 誰!?
原作マンガや緑ジャケットでも当初はルパン三世をバックアップする手下がいたけど さらっと忘れ去られいつものメンツに固定されます.
やっぱレギュラーキャラクターに魅力があるんだからヘンなの出さず焦点を絞って描いた方が作品が引き締まったんじゃない?


ここまで非常に長い文章でブッ叩きましたが つまり私が見たかったルパン三世と違ったからと言ってダダをこねてるだけです!
実写はダメでアニメならいいのか?っていうとTVSPなんか毎年見るたびつまらなくなっていって ついに制作されなくなりました.
言ってしまえばこの実写版は同レベルであり アニメなら「今年も見ちゃったけどつまらなかったなぁ」で済まされるところです.

この映画がそれで済まないのは『実写撮影の劇場版をTBSが作ってしまい大野雄二の“あの”テーマも聞けないまま ルパン見たい欲と不満が混ざり合った結果』ではないかなぁ.

ルパン三世の実写映画はどう作るのが正解だったんだろう?
アニメを大幅にアレンジし実写ならではの良さを追求する独自路線で行くか?
これまでのアニメを忠実に再現するのか?
アニメに忠実なものを作るには限界がある.
というわけで過去に作られた『念力珍作戦』という独自の実写版があるけど あれならルパン三世という人気コンテンツの名を使う意味薄いし.

どっちにしろ実写化を企画したコト自体が間違いだったんじゃーなかろーか.
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