ユースケ

ルパン三世のユースケのネタバレレビュー・内容・結末

ルパン三世(2014年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

ルパン三世(小栗旬)、次元大介(玉山鉄二)、石川五ェ門(綾野剛)、峰不二子(黒木メイサ)、銭形警部(浅野忠信)という無駄に豪華なキャスティングでモンキー・パンチの【ルパン三世】を実写映画化した本作は、モノマネともオリジナルともつかない小栗旬のルパンや車すら真っ二つに出来ない綾野剛の五ェ門、そして、貧乳の不二子が示すようにアニメと実写のリアリティラインのバランスを考えすぎて全てが中途半端になってしまった金のかかった新春かくし芸大会。
【オーシャンズ】シリーズも、その元ネタの【オーシャンと十一人の仲間】も、コンセプトは新春かくし芸大会なのでコンセプトは間違ってはいないと思うし、せっかく【ゴジラ】の世界観をぶち壊した【ゴジラ Final Wars】の北村龍平が監督なんだから恥ずかしがっていないで【ルパン三世】の世界観をぶち壊す振り切った作品にして欲しかったです。

とりあえず、【オーシャンズ12】のレーザー・ダンスっぽいシーン、【ミッション:インポッシブル】の宙吊りっぽいシーン、【レイダース/失われたアーク《聖櫃》】の剣で戦う気満々の相手を銃で瞬殺するっぽいシーンなど、どこかで見た事のあるアクションはアメリカ映画コンプレックスの北村龍平監督なのでいいとしても、スカイダイビングで潜入しておきながら正面突破し、監視されながら金庫破りするクライマックスはさすがに何とかして欲しかったです。【アジョシ】でウォンビンと良い感じに殺り合ったタナヨン・ウォンタラクンの無駄遣いもいただけません。

更に、ルパンと不二子がイチャつくダンスシーン、【ブラック・レイン】を思わせる銭形警部の剣道シーン、【ワイルド ・スピード】シリーズを思わせるルパンの本名で盛り上がるビルの屋上のヘリポートで飯を食うシーンなど、無駄なシーンを削って上映時間を100分くらいに短縮してくれたら10回も寝落ちする事はなかったな。

無駄に車をスピンさせて指で銃を撃つポーズで挑発したり、華麗なローリング・ソバットをかまして【007 スカイフォール】のカフスを整えるジェームズ・ボンドみたいにジャケットの襟を整えたり、小栗旬は頑張っていましたが、観賞後にハッキリと覚えているのはムシャムシャおにぎりを食べてゴクゴク味噌汁を飲んでそのまま気絶する綾野剛だけ。私が見たかったのは武闘派のルパンではなく頭脳派のルパンだったのかもしれません。

ちなみに、ルパン一味に加わるオリジナル・キャラクターのマイケルとピエールは台湾のアイドルグループ【F4】のジェリー・イェンと韓国のアイドルグループ【T-MAX】のキム・ジュン。キャスティングの理由は【花より男子】繋がりで間違いないです。