こたつむり

オール・ユー・ニード・イズ・キルのこたつむりのレビュー・感想・評価

3.2
ライトノベル×ハリウッド-萌え=本作品。

本作の原作は桜坂洋氏。
つまり、日本人なんですね。いやあ、ライトノベルを原作としてハリウッドで映画が作られるだなんて、半世紀前には想像も出来なかったことですよね。グローバルですねえ。でも、残念ながら、猫耳とかツンデレとかドジっ娘とかは本作に出てきません。む。やはり、ハリウッドもその辺りはまだダメですか。そうですか。

でも、その他にも日本的な部分は残っているのです。例えばそれは、ハリウッドが世界に誇るトム・クルーズが、色男で臆病者というキャラクタを演じていること、とかです。まるで髙橋留美子先生のマンガに出てくるようなキャラクタを。あの。トム・クルーズが。大スターが。演じてるんですよ。これは事件ですよ。
まあ、「暗いよ~狭いよ~怖いよ~」とは言いませんけどね。

そして、展開していく物語も当たり前のように日本人好みなのですね。リピート→リセット→リピート→リセットの繰り返し。この設定は皆さん大好きですよね。うん。僕も大好きです。

でも…。
原作全体をハリウッドが消化しきれていたか…は疑問でありました。特に宇宙からの侵略者である敵についての説明は言葉不足、描写不足、考証不足ではないでしょうかね。深く考えたらダメなのは解りますが、すとんと頭に入ってこないし、心の中で落ち着くところに収まらないのですね。

本作は侵略者との戦争、という態を取っていますが、根底にあるのはヒーローものだと思うのです。ヒーローものは敵が魅力的だからこそ光り輝くのです。だから、その辺りが弱いかな、と。思いました。まあ、僕は原作を読んでいないので「原作どおりに忠実に作りましたよ!」というご批判がありましたら、素直に謝ります。

何はともあれ。
ライトノベル原作であるように気軽な気持ちで楽しめるエンターテイメントです。ポテトでも食べながら。パリパリと。どうぞ。
こたつむり

こたつむり