<概説>
謎の生命体に人類は脅かされていた。
大規模な国連軍が組織されつつも勝利の糸口は見えず、天王山となりうる戦場にも必敗の二文字。しかしほんの偶然から、戦況を変えうる不死身(?)の戦士が爆誕した!
<感想>
近年でこそ"死に戻り"というワードは『リゼロ』のような作品群によって珍しいものではなくなりました。
しかし本作の原作小説が発表されたのは’04年。
同年代のライトノベルは『ブギーポップ』シリーズから変革をしつつも、『涼宮ハルヒ』『キノの旅』というような世界を包括するファンタジー方向性に走っていた頃。
その中でこんな先駆的な作品を構築した桜坂洋の才覚には、脱帽するしかありません。
しかも終盤のトム・クルーズの覚醒ぶりを見るに、この時点で昨今の最強主人公ブームを予見していたようでもあります。
そんな風に日本ライトノベル界出身作品として注目すると、あのオタク文化冷遇時代のこともあってしみじみと感動。
まあ〜〜〜もうトム・クルーズが脱走兵ってのは無理があると思いますけどね!『M:I』のイメージが強すぎて「潜入捜査でふざけてるだけでは?」なんて茶化しちゃいますよ!