メル

イーダのメルのレビュー・感想・評価

イーダ(2013年製作の映画)
4.2
修道院で育ったアンナ。
修道女として生きる前に自分の出生を知るために外の世界に出る。
初めて会う叔母、彼女から聞かされる両親の秘密。

モノクロ画面と少ない会話ながら登場人物の心情がよく理解できる見事な構成。

世界大戦とその後のポーランドでは一体どんな事が行われていたのか?
一般のポーランド人達はユダヤ人をどう捉えていたのか?
ドイツとロシア両国から攻め込まれたポーランドという国の複雑で悲しい歴史が垣間見られる。

「私はマグダラのマリアよ」と言うヘビースモーカーで呑んだくれの叔母は何故アンナを引き取らなかったのか、何故引き取れなかったのか。

叔母のクラシックレコードのメロディーに対し、青年の吹くアルトサックスのジャズが世代を表す様に新鮮でアンナ( イーダ ) の若さを感じさせる。

ポーランド出身の監督の前作「イリュージョン」は掴み所が無く不思議な作品だったけど今作は胸に刺さる場面ばかりです。

シスターベールにコート姿というイーダの外見は最初も最後も同じなのに、最後の後ろ姿がとても強くしっかりと歩いている様に見えました。
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