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イーダのpherimのレビュー・感想・評価

イーダ(2013年製作の映画)
4.8
自分がユダヤ人だと知らされた修道女が、見知らぬ故郷を訪れる。画作りで語りきる美学にキェシロフスキを感じ、ポーランド映画における一方の粋なのかとも。終幕で為される決断の切ないさり気なさに、小津映画へ通じる時代性をみる。鋭い静謐さと、モノクロなのにカラフルな余韻が印象的。

'60年代の共産化進むポーランドで少女イーダは修道女への道を選ぶが、中盤で「あなたの実親は迫害されたユダヤ人」と明かす叔母と、パヴリコフスキ監督の次作『COLD WAR あの歌、2つの心』において監督の実母をモデルとした女主人公ズーラとは、人物造形において共鳴し合う。

『COLD WAR あの歌、2つの心』:https://twitter.com/pherim/status/1141898951676665856
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