午後

アメリカン・パイ3:ウェディング大作戦の午後のレビュー・感想・評価

3.4
童貞を捨てることに躍起になっていてジムたちが大学を卒業し、今回はとうとう結婚式を挙げるのが感慨深い。なにかとトラブルに見舞われ、人一倍大恥をかいてきたジムの一生に一度の大舞台となれば、波乱が起きないわけがない。シリーズを通して屈指の性獣、物語の起爆剤、スティフラーが今回は良い意味でも悪い意味でも大活躍!劇場版ジャイアンみたいになってて笑った。ゲイバーでのダンスバトルシーンはヒット曲のクラブアレンジも楽しいし、リバティーンズが流れるシーンが良かった。デリカシーがなく場を弁えないスティフラーの傍若無人な振る舞いは、皆から疎まれながらも、彼らのプロムが忘れられない夜になったのも、女の子たちと出会ったのも、海辺のパーティを大成功に導いたのも、そしてフィンチのキャラを立てたのも、スティフラーが一役買っている。彼の底のない突飛な行動力によって、良くも悪くも忘れ難い思い出が沢山できた。とはいえやっぱり一緒にいたくない。今作では彼の生半可ではない気合を見せつけるシーンがいっぱいあり、主役であるはずのジムをすっかり食ってしまっている感すらある。
ジムが披露宴でダンスを披露するシーンで、1で見せたあの奇天烈なダンスを再び見られるかと思いきや器用にこなしていてびっくり。3ともなると、みんな10代のバカな若者じゃなくなって、落ち着きを持った大人になってくる。彼らが集まってしゃべる場所も小洒落たバーになっている。飲むお酒も風俗嬢を呼んで騒ぐのも金がかかっている。ケヴィンなんて1Dにいそうな風貌になっている。フィンチだけ回を重ねるごとにやたら尖っていくのが面白い。オズの不在にまったく触れられていないのが悲しい。今回スティフラーが物語の中心に置かれたのは、彼ぐらいしか無茶をしてはしゃいで物語を回すことができる人物がいなかったからなんじゃないかと思うと少し寂しい。
ジムが結婚するとなると気になるのが、今まで頼んでもないのに要らんことをいっぱい教えてくれたお父さんと、結婚にあたって何を話すのか、という点だが、父子の交流が今回はいっぱい描かれていて満足感があった。
なんだかんだで一番ぶっ飛んでいるのはミッシェルな気がする。彼女と一緒にいたら毎日楽しいだろうな。
スティフラーとフィンチの、mother fucker,grand-mother fuckerとなじりあうやり取りが良い。
午後

午後