「I like happy ending.」
愛ってなんだろうか。
自分が産んだ子どもですら愛せず、薬物と男にばかり溺れるような母親がいる中、
全くの他人であるのに障がいを抱えた子どもを心底愛し、育てようと闘った人達がいる。
その人達の愛は尊重されず、巻き添えになるのはいつも子ども。罪のない子どもが理不尽な最期を迎えるニュースを見るといつも思う。正義なんてものはこの世に存在しないのだと。
裁判のシーンはとにかく腹が立って仕方がなかった。彼らがいかにマルコを愛し、マルコを大事に育てていたかなんてちっとも興味が無い。ゲイであることばかり突ついて、本質を見失った裁判が今もまだ行われているのかもしれないと思うと遣る瀬無い。同性愛者は子どもを育てることもいけないのか。
「同性愛が普通だと思うと困る。」
このセリフにゾッとした。何を基準に異常と判断するのか知らないが、結局は親権に対する裁判の場で同性愛者を侮辱したいだけにしか見えなくて、本当に不快なシーンだった。
ハッピーエンドが好きだったマルコ。チョコレートドーナツが好きだったマルコ。ディスコダンスが好きだったマルコ。どのマルコもきっと育てた彼らしか覚えてない。そうして忘れ去られるほどの存在なのかもしれないけど、それでもマルコにだって生き続ける権利はあったはず。
それを奪ったのは理不尽で身勝手な大人。
いつの世もこんなことがまかり通ってるのかと、本当に悔しい気持ちがした。
ボロボロ泣いたしいい映画だとは思うけど、もう一度観るのは精神的にキツい映画。