まちだ

チョコレートドーナツのまちだのネタバレレビュー・内容・結末

チョコレートドーナツ(2012年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

ゲイのカップルが、ドラッグ漬けで育児放棄の親に育てられたダウン症の子供を家族として迎え入れ愛情深く育てるが、当時の厳しい現実、差別の壁が立ちはだかるという実話ベースのお話。

フィクションの部分を御涙頂戴ととる人ももしかしたらいるかも。
でも、個人的には支持したいなと思いました。

マルコの結末が載った小さな記事を送るラストで、はっきりと受け取った側の心に届いたとか、改心したという演出にしていない苦さも良かったです。


この映画は、マルコが好きだったおとぎ話のようにハッピーエンドにはならない。
現実は希望を捨てたくなるほどに厳しい。
それでも、戦い続けなければいけないのだというメッセージがまっすぐに伝わってきて心を動かされました。

これは70年代の話だけど、偏見や差別は今の時代にもいろいろな形で存在すること。
偏見や差別的な考え、規則で思考停止のまま下した決断によって不幸になる人がいる、絶望の淵に落とされる人がいる、
そういう現実から目をそらさずに、だれかの「ハッピーエンド」について、真剣に考え続けることが今を生きる大人としての責任なのかな、と思いました。


原題の「Any day now(”いつの日にか”)」という言葉がとても示唆的。
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