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チョコレートドーナツのscratchのレビュー・感想・評価

チョコレートドーナツ(2012年製作の映画)
4.7
心が、えぐられる思いをした。
想像できなかった。


舞台は1979年。まだ性の多様性に富むとは言い難い時代のカリフォルニア。
あらすじは聞いていた。当時の社会から"ハズレ者"とされる2人が、"ハズレ者"になりかけた少年の為に奮起する感動ストーリー。

知っていたはずだった。
だからこそ、今の時代ならもう当たり前になるストーリーだと
勝手になかば悟ってしまっていた。

少し理想も込めて書くと、誰が誰を愛したってよくて、典型的なマイノリティ差別に奮闘する姿へ感動するにはもう遅すぎるくらい、性や出自や障がいの差異の認識には違和感がなくなり始めた、そんな時代。
ひとつの正義に固執して、真っ向から否定する相手になど臆さなくてもいい。
ルディの、ポールの、「ゲイや人形の話じゃない。マルコという愛すべき子供の話だ」と叫ぶ姿に、もう身を捨てる覚悟で立ち向かわなくても仲間が見つかるよ、と肩を叩いてあげたくなる。
そんな良き時代に。今はもう。


ーー甘いのだ。だから、立ち上がれ。
ルディの慈悲深いまなざしの奥に、そんな気配を感じたラストだった。
泣かせないでくれよ。。

いつの時代でも何が目的でも
愛すべきものがあるなら、全力で愛し声を挙げて動かなくてはならない。
それだけは決して忘れてはいけない。
3人の姿を通して強く思いました。

心が奮い立つ映画。ぜひ。