ショウコ

ブラックシープのショウコのレビュー・感想・評価

ブラックシープ(2006年製作の映画)
3.6
群れで走ってくる羊ってゾンビっぽくない?という発想。めっちゃ面白かった💮

闇夜に浮かび上がる不気味な(かわいい)ヒツジ達のシルエットとか、手に装着するパペット感まる出しで人間をモニュモニュかじって内蔵を引きずり出す…しかも結構気合の入ったゴアというシュール過ぎる画ヅラだけで既に楽しいんですけどそれだけじゃない。各所におもしろ馬鹿アイデア盛りだくさん

咬まれた人間は中途半端にヒツジ化する。鼻先がニョキニョキ伸びる変身シーンはまさにハウリングのアレ🐺オオカミ男の対義語はヒツジ男って事か。ショーンオブザデッドみたくヒツジに変装→群れに紛れ込んだら交尾を迫られたり、ハサミ型の黄金トロフィーが期待に応えて武器になったり。ひたすら下品ですがこれ見よがしに笑いを強要しないコメディラインが好ましい

そしてこの、羊パンデミックというインパクトに負けず劣らないのが人物背景で。変態ファミリー物語に笑いましたよ特に兄貴!バイオ技術研究に手を出した動機はどうやらヒツジを愛し過ぎた結果だったらしく「父親は盲目のヒツジを追い掛けて崖から転落した」って台詞とピッタリ符合します。血は争えませんね。
奈良公園でリメイクしたら「しかとしてんじゃねーよ!」って台詞になるに違いない🦌

ラストで主人公のトラウマエピソードを再現→華麗に伏線回収する阿保なシメもお見事です👏





なるほどニュージーランド、強いピータージャクソン臭がします。舞台がまずバッドテイストの丘っぽく、肉屋でゲット疑惑のあるグロにも近いものを感じる。大群で駆け下りてくるスペクタクルは指輪2の援軍とかぶるし変身過程じゃ一瞬ザコ兵士そっくりになる。すってんころりんアクションとかプロペラ機、ゆるふわBGM全般はブレインデッド…。調べたらこのVFXスタジオ、まさにPJ作品の多くを手掛けた会社なんだそうな🎥

まぁそれにしちゃ安っぽいんですけどね。ヒツジ人間は作りがショボい上に暗闇で良く見えませんし、カメラもプルプルしてて乱戦はワケが分からない。きっと低予算だったのでしょう

日本人顔した男性が居たのでなんとなく目で追ってたんですが「食べられるよー!」って綺麗な日本語で叫んでてちょっと嬉しくなりました
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