いーみー

フルートベール駅でのいーみーのレビュー・感想・評価

フルートベール駅で(2013年製作の映画)
4.8
新年を喜ぶ乗客であふれた地下鉄の駅で一人の黒人青年が警官に射殺された実際の事件をベースにしている。
ニュースをリアルタイムで聞いたとき、私たちにとって彼は被害にあった黒人男性というだけの存在だった。しかし、彼はオスカーという名前で、愛してやまない可愛い娘がいで、強く優しく愛に溢れた母がいて、生活は楽ではないけど悩みながらも堅実な生活を目指す、欠点もあるけれど思いやりのある魅力的な22歳の青年だったとわかった。一発の銃弾が奪ったものがいかにかけがえのないものだったか強く心に刻み込まれる。
クロニクルに出演していた主演のマイケル B ジョーダンは非常に実在感があり名演だった。銃撃のシーンは居合わせた乗客が携帯で記録された実際の映像も重ねて使われ、そこに居合わせたかのような緊迫感があった。
特別な事態に見舞われた時、心の奥にある偏見が悪魔のように人を支配し、判断を狂わせる。よく肝に銘じておかなければ。