みきぴん

フルートベール駅でのみきぴんのレビュー・感想・評価

フルートベール駅で(2013年製作の映画)
3.9
2009年1月1日午前2時15分
カリフォルニア州の
フルートベール駅のホームで
22歳の黒人男性が
白人警官により地面に押さえつけられ
背中から銃で撃たれ 死亡
黒人男性は丸腰だった

この事件は
テレビでも大きく報道され
その場に居合わせた
電車の乗客や目撃者により
スマホや携帯で撮影され
実際の瞬間の
多くの動画がYouTubeなどにも
UPされた

乗客が撮影したその実際の映像が
映画の冒頭に流されて
いきなりガツンと釘付けにされる

映画では
被害者である黒人男性
オスカー・グラントが
その時を迎えるまでの一日が
描かれる

現代の日本で暮らす私たちは
国家権力からの暴力や
理不尽な人種差別や
銃社会の恐ろしさなど
身を持って知る事は無いけれど

毎日テレビで報道される
一日の交通事故の死亡者数
自然災害の被害者の数
どこかの国のテロや内戦の死者数
有無を言わさず殺された
事件の被害者の数

それはただの数字では無く
その数字のひとつひとつが
「私」と同じ様に
それぞれに
人生が有り 家族が有り
愛する人が有り
大切な人が居て
そして様々な事情を抱えた
唯一の『命』だという事

決して差別や偏見や
権力による暴力や
理不尽な戦いなんかで
失われてはならないという事

ラストは
2013年の
オスカー・グラントの追悼集会の
実際の映像で締め括られる

*5/21
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