みーちゃん

プリズナーズのみーちゃんのレビュー・感想・評価

プリズナーズ(2013年製作の映画)
3.9
再鑑賞。初めて観た時は、ケラーの父権主義や、人の意見に聴く耳を持たず、すぐ感情的になるキャラクターとセリフがうるさくて、大筋しか印象に残らなかった。だからその時は、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の割にはパッとしなかった。

再鑑賞したら、その理由が、娘への想いに引っ張られ、ケラー中心に観てしまったからだと分かった。今回はロキ刑事を中心に据えて観ることで景色が変わり、周りが見えてきた。

あらすじ欄の『警察(ジェイク・ギレンホール)の捜査は錯綜する』というのも、ケラー側の目線であり、実際には全く違う。あんなに素晴らしい刑事はいない。熱い心を秘めた冷静沈着な彼が、らしくないミスをするのは、いつもケラーに掻き乱された時だ。ジェイク・ギレンホールが、とても良かった(タトゥーや傷を隠すためかもしれないが、首元を露出せず、一番上のボタンまでピシッと留めて着るシャツ姿が超セクシー!)。

終盤の病室でのシーンは、劇中で初めて妻が(夫とセットじゃなく)個人として言動するという意味合いを持つが、娘を口実にロキの部屋に入ってくるのも、その時のセリフも気持ち悪かった。その後、人払いして何を言うのかと思いきや、その内容にも呆れた。

あれって、もしかして、一見、普通に良い妻に見えちゃう観客もいるかもしれないから、上手い演出だなーと思う。それに対し、頷くことも、言葉を発することもなく、見透かすようにじっと見つめるロキが、またまた素敵!

全てが終わった後、彼らが今回の事件をどう教訓にするか/できるか、だと思う。