ひでやん

プリズナーズのひでやんのレビュー・感想・評価

プリズナーズ(2013年製作の映画)
4.1
その確信は善悪の境界線を越えてゆく。

娘を誘拐された父親が、証拠不十分で釈放された容疑者こそが真犯人と確信し、娘を取り戻すために一線を越える重厚なサスペンス。

ヒュー・ジャックマンの激しい怒り、ジェイク・ギレンホールの冷静さ、何を考えているか分からないポール・ダノなど、役者たちの好演が光り、2時間半の重厚な緊張感にどっぷり浸かった。

ジェイク・ギレンホールが登場した瞬間、犯人だろ!と思わず疑ってしまった笑。彼がまともな刑事役をするのは珍しい。敬虔なキリスト教徒である父親は娘を奪われ魔物と化し、犯人と思われる男は血に染まる。善と悪、加害者と被害者が判然としない中、そのどちらでもない中立的な刑事が鑑賞者の立場となり、事件を追う。

法で裁けないなら法を犯してでも娘を救おうとする父親。娘の替え歌を聴いてしまったらそりゃあ、疑いが確信に変わるだろう。「もしも違っていたら…」という思いを拭えないまま、憤怒と背徳の迷路を彷徨う囚われ人を見守る事しかできない。

犯人に囚われた娘、父親に囚われた容疑者、怒りに囚われた父、そして狂気に囚われた真犯人。そんな囚人たち(プリズナーズ)が向かう結末によって、今作の評価がグッと上がった。

繋がるミスリード、重要視しなかった伏線、そして意外な真犯人。そこで終わっていたら、なかなか見応えのあるサスペンスという感想だったが、用意されていたラストにより、かなり面白いサスペンスとなった。