こーべい

プリズナーズのこーべいのレビュー・感想・評価

プリズナーズ(2013年製作の映画)
4.1
ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作品デビュー。評判通りおもしろかった。
あまり多くのことは起きていない割に2時間半があっという間に感じたし、続きが気になって仕方がなかった。

感謝祭のホームパーティの最中に、ちょっと外に出てくると言ったまま忽然と姿を消してしまった少女2人を追うサスペンス。
ロキ刑事(ジェイク・ギレンホール)が近辺の性犯罪の前科者を洗い出す一方、娘をさらわれたケラー(ヒュー・ジャックマン)は初動捜査で浮かび上がったものの証拠不十分で釈放されることになったアレックス(ポール・ダノ)を犯人だと決めつけ、倉庫に監禁・暴行して娘の居所を吐かせようとする。真犯人は見つかるのか?監禁されたアレックスが耐えきれずに自白するのか?どちらの線も捨てきれない状況の中、事件は驚きの展開を迎える。

ヴィルヌーヴ監督の映像へのこだわりの強さがビシビシ伝わってきた。
森や自然が映し出されるシーンが多いのだが、どのショットもパキパキで鮮やか。現場に居合わせたような気持ちにさせられる。
娘が消息不明になる時に、庭の木の根元からゆっくり寄ってくるカメラワークもホラーぽくてよかった。

事件にまつわる人間関係にはキリスト教を「信じる者」「信じない者」、そして「異教徒」という背後関係があるのだが、欧米の映画をみていて悔しいのがどうしても日本人で無宗教だったりすると、このあたりがリアルに感じることができない点。聖書を引用する件とか理解できるともっと映画を深く味わえるのになあといつも思う。(わかった気になって済ませるしかない。)