成川ジロー

プリズナーズの成川ジローのネタバレレビュー・内容・結末

プリズナーズ(2013年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

全く先が読めず二転三転していく展開に完全に持っていかれて最後まで目が離せなかった。サスペンス、スリラーと言う意味で大成功してると思う。
真犯人は最初の容疑者と繋がってるのになんで家宅捜索してないんだよ!とか、なんでも言うこと聞いちゃう謎のドリンクってなんだよ!とか、取調中に拳銃取られるのもおかしいしそもそも自殺したこいつ何だったんだよ!とか、一番怪しいアレックスに人が足りないとか言って監視付けない警察おかしいだろ!とか色々ツッコミどころはあるものの、ヒュー・ジャックマン、ジェイク・ギレンホールと言う二大名優の演技のパワーもあってのめり込んでしまう。

見ていて非常に考えさせられたのは、自分の身に起きたらどうするか?と言うこと。多分自分は「あいつが絶対に犯人だ」という確信は持てない思想なので、あそこまでやれないですね。正直大工し始めて熱湯と冷水の簡易拷問室作ったときとか、心底主人公を軽蔑しました。この物語上では主人公の暴走を含めた行動が真犯人逮捕と娘たちの生還に繋がってはいたんですが、結果が正しければ過程は何しても許されるみたいのは嫌なもんで、難しいですけど、素直に喜べませんよね。
度々祈りを口にして神に赦しを乞うているのも、キリスト教じゃないし現実と神が剥離している自分には言い訳や責任逃れにも見えてしまって、賛同できないんですね。
疑わしきは罰せず。
でももしそうなると自分が主人公だったら、娘は見つからず死んでしまうのか。。。でもやっぱそのために無実の人間拷問かけたり出来ない。「自分がいる間は二人は泣かなかった」とか言われたら拷問はしないまでもずっと尋問は続けるかな。不確定な状態で暴力はあかんよ。実際は不確定な状態でも暴力を振るえる人間であった方が事態に対処する能力高いんだろうけど。

いやまあ結婚もして無ければ子供もいないですからこんなこと自分には起きないんですけどね。守るものの無い人間は強いぜ!(泣笑)

とにかく傑作ではあると思う。
成川ジロー

成川ジロー