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プリズナーズのc0c0のレビュー・感想・評価

プリズナーズ(2013年製作の映画)
4.0
どれだけ祈れば報われるのか。
神への忠誠心を試される作品。

ファン登録をしているドゥニ・ヴィルヌーヴさんの作品。
今年は『メッセージ』と合わせて彼の作品は2本目。
やはりドゥニ・ヴィルヌーヴ監督はサディストであり、マニア心をくすぐる。
クライム映画そして、サスペンス映画として楽しめる反面【宗教】が密接に絡んでくる作品。

最近、宗教というのに凄く興味がある。
キリスト教の闇を描き出す作品が多いため、信仰する人間の心理は興味深い。

今作はopで祈りながら鹿を殺すシーンがある。
『テルマ』と同じ構図。
そして神の仕業かと思わせる『聖なる鹿殺し』もタイトル通り鹿が出てくる。
今作が宗教を描いているのは一目瞭然だ。
また、感謝祭で子供が誘拐されるというのも(宗教が介入しなくても)ショッキングな話。

信仰を捨てようとして、捨てられない人間。
信仰を捨て神に挑んだ人間。(蛇と堕天使)
そして異教徒。
(神父も絡んでくる)

この人間模様を巧みにドゥニ・ヴィルヌーヴ監督は描き出している。
素晴らしい。

大好きな俳優ジェイク・ギレンホールさんの迫真の演技に痺れた。
ヒュー・ジャックマンさんの怖さも見事だ。
ジェイクの立ち位置が分からなかったけど、意味深に出てくる指輪など気になって解説を読んでみたらなるほどと唸った。

ラスト。
ケラー(ヒュー・ジャックマンさん)はどうなるのか。
これも宗教に関係してくる意味深なもので、好きだ。

ただひとつ。
無宗教の私にはこれを身近に感じられない。
キリストを理解して面白くても、根っこの信仰というものを本質的に理解できない。
だから犯人の動機が分かった瞬間のおぞましさは分からない。
もっと理解したいと思った。

ポール・ダノさんは、犯人役に適役ね笑
あの不気味さは凄い。


ストーリー : ★★★★☆
映像 : ★★★☆☆
設定 : ★★★★★
キャスト: ★★★★★
メッセージ性 : ★★☆☆☆
感情移入・共感 : ☆☆☆☆☆

cc/愛する娘を奪われた時、父が踏み越えた一線とは。
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