ギルド

プリズナーズのギルドのレビュー・感想・評価

プリズナーズ(2013年製作の映画)
4.4
【世界はゴールが複数存在する大迷路】
感謝祭に娘が失踪し、行方を追う刑事と父親を描いたサスペンス?スリラー映画。

ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督×ジェイク・ジレンホールのスリラー映画で、同時期に上映されたアート要素と謎解き要素の強い「複製された男」と異なりストーリー性の強い作品で見応えがありました!
まるでそこに実際にいるかのようなジェイク・ジレンホール / ヒュー・ジャックマンの熱演も見どころですが、何よりも本作は影の使い方が見事で撮影監督ロジャー・ディーキンス氏のカメラワークが印象的に感じました。
真実の見えなさ・暴力的な残酷さを影や物的に覆い隠すカメラの追い方が印象的で、スリラーとして怖い要素を映す対象と共にカメラで表現するところが面白いです!

サスペンス・スリラー映画というよりは宗教の色合いの強いスリラー映画で、語り口にサスペンス要素が盛り込まれているような映画に感じました。
重要な登場人物に神話・宗教的な意味合いを持たせつつも、神に対する考え方と実際の失踪事件のその気でない感情を投影するところが他の映画で見られない面白さがあると思います。
物語に迷路が用いられるように、神を信じること・信じないこと・中立的な立場の三つ巴で描く宗教的なメッセージが強く、そこに博識な人は宗教的メッセージも汲み取りながら見るとより楽しめる作品かも?

良くも悪くも海外向けで日本では馴染みのないディテールに乗れるかは個人差分かれる作品です。そこまで追えなくてもスリラー映画として堅実に楽しめる作品でオススメです!
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