カリカリ亭ガリガリ

ジュラシック・ワールドのカリカリ亭ガリガリのレビュー・感想・評価

ジュラシック・ワールド(2015年製作の映画)
1.1
小生、生まれて初めて観た映画が『ジュラシック・パーク』であり、その体験が映画好きになったキッカケでもあります。ですから、当該作品を崇拝、と言うと大袈裟かもしれませんが、ファナティックな感情を抱いているのは間違いなく、すこぶる大切な映画なのです。

ところで、『ジュラシック・ワールド』という名の凡作における下劣さには鑑賞当時から落胆と憤慨の想いがあり、それは『ジュラシック・パーク』への愛情から派生する反発なのではなく、凡庸と呼ぶのも恥ずかしい下手糞なショットを下手糞にカラコレして下手糞に繋いで、馬鹿が馬鹿しか行わない下手糞な作劇が下手糞な時間配置で続き、挙げ句の果てにコリン・トレヴォロウの悪趣味なまでの倫理観をドヤ顔で見せ付けられ、恐竜を、恐竜を愛する子供たちをナメるなよ……と座席で拳を握っていると、これ見よがしに流れるジョン・ウィリアムズのテーマ曲を耳にして脊髄反射的に涙が出てしまって、涙を流してしまった自分自身が悔しい、悲しくてやり切れない……と、私はかなり危ない人になっていました(自覚あり〼)。

いや、恐らくは作品それ自体と言うよりは、コリン・トレヴォロウの倫理観と自分が全く合わないと思われるのですが(因みに、人が無意味にどちゃくそ死んでいく映画は大好きです。つまり悪趣味残酷大魔王スピルバーグの映画が大好き)、あらゆる演出がちっとも巧いとも感じられないですし、嫌悪感しか無いですし、こんな奴絶対友達になりたくないわー、娘の嫁に来たら嫌だよーこんな奴、状態にあります(ちょっとだけ言い過ぎたごめん)。

いくら何でも監督二作目にこの案件は早過ぎたのではないかしら……いや、しかし遅かれトレヴォロウよ、あんたが執筆したこのシナリオにおいて、恐竜へのリスペクトなんぞ微塵も感じないのだ。コマじゃないんだよ彼らは。タイマンすりゃ喜ぶと思うなよ。あと、あんたの場合は人命の尊さも知らんようだな。"映画"の中で人が"死ぬ"ことの意義も意思も、テメェは考えてない。人命もコマにしてしまう。薄っぺらい悪趣味だよ。そう言えば、あのパークの恐竜たちは皆メスで、つまりあそこは女の園だ。そこにノコノコと現れたハイブリット恐竜インドミナス・レックスは、女たちに咆哮を浴びる。「ここから立ち去れ!」と。トレヴォロウ、そっくりそのままあんたに返すよ。ファックオフ。

あーでもラプトルは超可愛かったよねえー(情緒不安定)。

※『ジュラシック・ワールド 炎の王国』レビューへとつづく!!