かつきよ

ジュラシック・ワールドのかつきよのレビュー・感想・評価

ジュラシック・ワールド(2015年製作の映画)
3.7
もともとパニックSFも恐竜もそんなに興味がないのですが、クリスプラット大好きなのでいつか見ようと思っていた作品。

ワールド鑑賞のために前作も鑑賞しましたが、残念だった2作目や3作目とは違い、続編としてかなり完成度の高い出来になっていました。色んな面に置いて高水準で、見どころの詰まった良作です。
パニックSFや恐竜モチーフがもともと興味ない私でも楽しめたので、好きな人なら尚更なのは確実!

コリン監督は、新たな世代にシリーズの魅力を伝えたいといってメガホンをとったそうですが、見ている間かなりひしひしとそれが伝わってきました。シリーズの、というよりは、ジュラシックパーク(初代)の、という感じですが…!笑

2、3作目は続編世界を描きつつ映画の魂としては全く別の、ほぼただのパニック映画になってしまっていましたが、今作ではパーク設定を復活させる事で、初代の唯一の持ち味であり最大の武器であったテーマパークというワクワク感を再演出しています!
これこれ!!この感じが、ジュラシックパークをただのパニック映画ではなく名作たらしめていた理由なんだよ!と言いたくなるような、待ってましたー!感。
初代を見た時に唯一残念?というか、まあしょうがないと思ったのが、映像や設定が古臭い事。恐竜の設定の未開拓部分に関しては、「完全なる再現ではなく、欠損は他生物の遺伝子で補完した生物」という設定をつける事で、何年経って恐竜の設定に齟齬が生じても映画は破綻しないようになっていましたし、SF映画としてかなり作り込まれて組み上げられていました。今作でも恐竜研究の不完全性について補完している部分は同じですし…そこをSFと割り切っていたからこそジュラシックパークは今見ても面白いのだと思いますが、それでもやはり隠せないのは、時代ですよねー。
初代は不朽の名作!とは思いつつも、今すごいSFが溢れている世の中からすると、面白いは面白いけど、当時見た人たちはもっとすごく斬新で新鮮で衝撃的に映ってたのだろうな〜と思っている自分もいました。
そこにきてこの映画は、1の面白さをストレートに現代にシフトしているのを感じて圧巻でした。まさに、今の世代にシリーズの感動を伝えられる映画!!
CGや近未来テクノロジーを使った演出の数々は圧巻!恐竜のCGは確かにもう珍しくも何ともない!でも、このテーマパークの演出、見せ方はまさしく近未来!面白い!新しい!わくわくする!!初代を見た当時の人たちもこんなワクワクを感じていたはず!そんなワクワクが溢れてくる!

クレアの「今や恐竜は珍しいものではない」っていう説明は、それこそ旧作とか、テクノロジーに対して、今の人たちにはそれほどインパクトはないっていう事を表現していたのかなーと…。
一作目でも科学と自然と人間の関係性の危うさはテーマとなっていましたが、今作ではそのテーマすらさらに現代風にアレンジしてきちんと盛り込んでます。
見たかった映画はこれだー!!というような、素晴らしい作品。
ジュラシックパークの魂を継いでいるのは、ロストワールドでも3でもなく、まさしくジュラシックワールドだなと思いました。

調べれば出てきますし、散々話題に上がっているので詳細までは語りませんが、旧作のジュラシックパークに対するリスペクトとオマージュが半端ない!
これは、続編だからできる事ですよね。2.3でも、それこそ続編としての作品でしたから、リスペクトはあったのでしょうが、続編という事実に甘えすぎていて蛇足的な印象が強かったのに対して
今回はリブートだからなのか、だからこそなのか、直接的にも間接的にも過去作のオマージュがふんだんに取り入れられているのが本当に熱いです!変に隠したりしないで、はっきり言及してくれる部分があるのもいいですよね。
もちろん、それとなく匂わせるシーンもあるので、本当にオマージュが上手いというか、活かしてるなあと思いました。

シリーズとしてみた作品としての感想はこんな感じにして、以下は単品としての感想です。


まず、クリスプラット!かっこいい!個人的に全盛期のクリスといえばジュラシックワールド!という感じですし、知ったきっかけでもあるので、そこには大満足でした。

しかし、クレアのキャラクターは好きですが、ヒロインとしてはそこそこ。ヒロインとしては、初代のエリーの方が好きだったかなあ…うーん、しかしクレアもキャラクターとしてはクレアの方が好きかな…といった具合。
吹き替え声優が、もう玉木宏と木村佳乃にしか聞こえなくて…
木村佳乃ははまり役でしたが、しかしヒロインって感じじゃないんだよなあ〜!といった感じです。
でも、甥っ子と再会するあたりから演技がぐわっと変わります。めちゃくちゃ真に迫ってて、本当にいいです!クレアのこと大好きになりました。

クリスプラットの玉木宏は、好きだけどイケメンボイスすぎる…!というのが正直な印象です。(この前見たマダガスカルも頭をよぎります)
クリスプラットは、もうちょっと野郎系の声の方が…
GotGの時山寺宏一だったのもびっくりしましたが、あっちの方が純粋に好きです!今のところ吹き替えで一番好きだったのはパッセンジャーの時のクリスプラットですね!小松史法さんです。
マグニフィセントセブンは原語で見たのですが、三上版も気になりますー。

もともと恋愛映画好きではないですが、この映画も恋愛映画としての部分はちょっと、ん?と思いました。
むしろラブロマンス必要だったかなぁ?と。
ない方がいいとまでは言いませんが、パーソナリティ的な相性が全く悪そうな2人がまた惹かれあっていく展開は、いやいや吊り橋効果だろ…としか思えないです。2人ともキャラクタは好きなのですが、恋人としては相性悪いと思います。
しかし、恋愛メインではない映画ですし、今後の2作品で2人の関係性がどうなっていくか、というのは見どころだとは思います。

新種のキメラ恐竜に関しては公開前は賛否両論あったようで、私も、えーキメラで新種作っちゃうのはシリーズとしてタブーなのでは?と心配にもなりましたが、見てみればかなり納得のいく演出になっていました。
そもそも、パニック映画ながらも、今回は生物学的な要素もかなりフィーチャーされていたので、キメラ新種のSF設定にもかなり重厚感というか、説得力があるんですよね。他の恐竜に関しても、生物学的な視点を取り入れて物語を進めていくのは、過去作にはなかった新たな良さだなとも思いました。

キメラ新種を使ったからこそ、テクノロジへの警鐘というテーマを現代の水準で描けましたし、迫力や設定的な面白さを感じました。
無駄にアイデアを出した、という感じではなく、きちんと物語の要素として考えられていて演出されていたなと思います。

もちろん、Tレックスやラプトル、過去に出た恐竜たちの扱いに関しても素晴らしいと思いました。
ラプトルに関してもやはり賛否両論あったようですが、新設定として新しい視点、展開を取り入れつつ、やはり過去作へのリスペクトは忘れない、納得のいく演出がされていたのではないかと思います。
とにかく、今後の展開が楽しみですね!
気になっている人は是非見てください!
かつきよ

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