シズヲ

徳川セックス禁止令 色情大名のシズヲのレビュー・感想・評価

3.5
「セックス禁止令ってなんやねん」感あるが実際セックスを禁止しているので仕方無い。端的すぎるタイトルでもうオチが付いてるので強すぎる。武芸一辺倒だった田舎藩主(九州の大名なのに織田信長を尊敬という微妙ないい加減さに味わいがある)が嫁入りした徳川家の娘を相手するべく性技を学び、気が付けば性欲の虜になってしまうという快楽堕ちっぷりが最早切なくなる。超グダグダな初夜(太鼓で爆笑)や城中でのクソ真面目な下ネタ会話、挙げ句の果てに文字通りのセックス禁止令など序盤は特に滑稽で笑ってしまう。

色情の過剰な抑圧などメッセージ性めいた要素こそあれど、中盤を越えた頃には寧ろ見世物的な絵面の方が強烈な印象を残してくる。妙にねっとりした切腹シーンの変態性が凄すぎて度肝を抜かれたのに、その後の姫とサンドラの同性愛的イメージ映像も先鋭的すぎて色んな意味で面食らう。性的な事柄に対する執念的演出が異様な輝きを放っている。時おり流れる妙に間の抜けたBGMも相俟ってナンセンスなムードがとにかく充満している。

異様にテンポの良い序盤で加速してからはどんどんセクシャルな描写や妖しげな美術をぶっ込んでくるし、更には宗教まで取り込んでくる圧倒的背徳性にビビる。そのくせ時代劇としての体裁も十分に保っているのが憎めない。「結局ヤることが人間の性だが、だからといって抑圧を強いてはならないのだ」と言わんばかりの物語といい、キワモノ根性満載なのに何だか深かったような気さえしてくるズルい怪作だ。