調伏系V魔虚羅

シンプル・シモンの調伏系V魔虚羅のレビュー・感想・評価

シンプル・シモン(2010年製作の映画)
5.0
物理とSFが大好きなアスペルガー症候群のシモンは、気に入らないことがあると自分だけの“ロケット”に引きこもり、想像の宇宙へと旅立ってしまう。そんなシモンを理解してくれる唯一無二の存在の兄サム。弟思いの優しい兄はこれ以上両親に迷惑をかけまいと、自分の恋人とシモンの三人暮らしを始める。だが自分ルールに日々従い生きるシモンに恋人はうんざり。遂に別れてしまったのだった。彼女(皿洗い係)がいなくなり、自分のペースが乱れるシモン。サムに完璧な恋人さえいれば、生活が元通りになると考え、新たな恋人探しを始める。そして偶然出会った天真爛漫なイェニファーに狙いを定め、あれやこれやと奮闘するのだが…。

自分を含め周りの“変化”が嫌いなシモンだったが、兄の恋人候補であるイェニファーと接するうちにシモンの世界が、もう充分広いと信じていた宇宙が広がっていくその様はもう心が浄化されるよう。シモン自身の人生観や色彩豊かでお洒落すぎるセットに衣装、全てがぶっ刺さってしまった。
『シンプル・シモン』原題をスウェーデン語で”I rymden finns inga känslor”
意味は「宇宙には感情がない」
これを頭の片隅に置いて鑑賞して欲しい。ラストシーンの感動がより深いものになるから。
調伏系V魔虚羅

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