麩

シンプル・シモンの麩のレビュー・感想・評価

シンプル・シモン(2010年製作の映画)
3.7
めっっっちゃくちゃ好きだった!!!
まず始まった瞬間の、クレジットと共に流れるグラフィックからとてもおしゃれ。
アスペルガーで均整を好み、理論で理解することができる宇宙が 大好きなシモン。

ストーリーが展開するときに、シモンの感情を宇宙や理論で表現する演出もすごくおしゃれで可愛いし、引越しからの時間経過が、家具がひとつずつポンポンって現れて壁がグラデーションで染まっていくシーンとか、シモンとイェニファーのイヤホンのシーンとか、ワクワクどきどきさせる演出がとっても好き!!

アスペルガーの特徴を、数字や記号、モチーフ、行動などでポップに描いているのがとても好き。わたし自身がアスペルガー症候群なので(シモンよりは軽度だし、療育を受けてここまで顕著では無くなりました)シモンの行動もすごくすごく理解できるし、それを理解できない母親やサムの元カノさんのことも理解できる(つもり)。
使用されているグラフィック・美術・演出 とアスペルガーの少年というストーリーの親和性がとても高く
ポップで可愛く表現されることで楽しく見れる。
展開がサクサクしていてわかりやすいのもとてもいい。

ビジュアル部分のセンスがすごーく良いだけに、「北欧インテリアが可愛いおしゃれポップ映画♪」みたいに思われそうなのがめちゃくちゃ悔しいのだけど、実際はビジュアル的なセンス以上に、演出が上手い気がする。

『13を不吉な数字だとは思わない
自分以外では割り切れない素数 僕と同じだ』
『宇宙にも感情があるのかもしれない』
➡️すごく心に残った、シモンは他人の気持ちを想像する事がめちゃくちゃ苦手だけど、想像力はちゃんとあって、みんなと違う方向に向いているだけなんだよね

サムとイェニファーが
めちゃくちゃ理解と思いやりがあり、器の広い良い人だから成り立つ物語ではある。
でも、現実に発達障害を抱えながらも幸せに暮らしてる人ってかなりの確率で理解あるパートナーに支えられてるから、その面でも現実的であるといえる。笑
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