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2つ目の窓のromioのレビュー・感想・評価

2つ目の窓(2014年製作の映画)
4.2
ドキュメンタリーのような生々しさの中で見せる、死生観。
こりゃ、とんでもなくタイプで今年ベストはこれだなと観ていて思った、そんな作品。

冒頭のから山羊が死に、海の中を漂う少女。
「なんで海はいらないの」
「だって怖いだろう、なんか生きてるし」

「ベトベトするから嫌いなんだって」
「なんじゃそりゃ、ひ弱だの」

内地から奄美にやってきた少年と地元の少女が生きること、死ぬこととということを見つめる。
16歳という思春期真っただ中にある彼らの姿がと不思議な力を感じさせる奄美の映像が絶妙にマッチして、画面から目を離せなかった。
奥行きのある映像といい長回しといい、登場人物の胸の中にある想い、その雰囲気を掴むのが抜群に上手かった!

ただ惜しむらくはラスト15分。
お父さんの独白はなんじゃこりゃと思ってしまったし、お母さんとの関係も曖昧なままでラストを迎えてしまった。
海は何も語らずとも見せるだけで良かったし、セックスしよという言葉もどこか煩わしく感じられた。
この監督のあんという作品も俺は最高に好きだけども、喋らないで伝えてくれるものは絶品なのに、ひざ口を開けるとがっかりという部分はある。

とまあ否定的なことも書いてしまったが、それはあくまで、その部分が良かったら傑作になっていたなと思う部分で、他の部分は本当にいいので是非ともオススメしたい作品。
時間のある時でないと楽しめないので。
忙しい時には見るのをオススメしません。
そこだけは注意。
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