ぬい

おやすみなさいを言いたくてのぬいのレビュー・感想・評価

4.4
2017.1.1
報道カメラマンとして紛争地帯で仕事をする女性と、その家族の話。

主人公を戦場へ駆り立てるのは怒り。静かで強い、抑えきれない怒り。
けれど、ある時夫に、待つ方の気持ちも考えてくれと言われて立ち止まります。子供と過ごして、友人と平和な生活を過ごし、もう戦場へは戻らないと夫に約束して普通の家族になろうと頑張ります。

一度これと決めてしまうと、他のなにか楽しいこととかしていても上手く心がついていかなくて違和感を感じ続けることってあるな、と思いました。私の場合は主人公ほど深刻ではないのですが。
自分を自分で無くしてしまうことになりそうで、けど主人公は母親に、妻になろうと努力してます。
どうするのが良いのか見ながら考えてましたが、最後まで答えが出ませんでした。映画の家族の決断は、当然その選択もある、な終わりでした。

突き進んで行くために足を鈍らせたり後ろを振り向かせたりするような要因が無い方がいいのか、突き進んで行くために背中を押して力をくれる存在があったほうがいいのか、…なんて考えています。

ラストのやりきれない物悲しさも、なんだかもう人間って…救われないな…上手く言えないです。
長女すごく良い子。夫と下の娘も友達もいい人、なので余計に堪えますね。
ぬい

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