ゆき

おやすみなさいを言いたくてのゆきのレビュー・感想・評価

3.7
心許せる人に一日の終わりを告げることができる幸せ。

報道写真家であり妻であり母親である。事故に遭ったことで帰国した彼女を待つのは生活に疲れ果てた家族であった。離れ離れの生活のゆがみに対して彼女はどうするのか。

このテーマに着地点はあるのだろうか。
目をつむりたくなる現実の前で真実と向かい合うことができる人は限られている。その行動ができる彼女は母であり妻である故にバランスが難しい。
誰も悪くない。自己満足にも見える正義感と生活の狭間での葛藤は当事者間でしかどうしようもない。

思春期真っ盛りの長女の決断は大きな一歩でぐっときた。
美しい映像と主張しすぎない音楽に彩られる「家族」の変化。
邦題は少し甘ったるく感じるけれど、「おやすみなさい」って言える相手ことはすごく幸せな環境なのだと想う。
ゆき

ゆき